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<選択肢>
13日目
頑張ります
知盛様と離れたくありません
(スチル:頼れる旦那さん/13日目(現代):子供の名前)
夜の海を渡っている中、主人公の体力は限界に・・・。
「おい、○○、○○」
(ああ、せっかく結ばれたというのに、もう別れなくちゃいけないなんて・・・・・・。神様は、なんて意地悪なことをするの?)
「○○、○○、くそ!! 陸はまだなのか!」
悲痛な知盛の声。
その時、暗い海の中から懐かしい声が聞こえてきます。
「そこにいるのは知盛殿ですか?」
「法眼さん!?」
「法眼か!! ここだ、ここにいる。○○も一緒だ」
「はい。今助けに向かいます」
(よかった。法眼さんが来てくれた。私達、これで・・・・・・た・・・・・・す・・・・・・)
気がつくと、砂浜の上に寝かせられてました。
すぐ隣には、話し込んでいる二人(知盛と法眼)の姿。
「あ、あの・・・・・・」
「よかった。目が覚めましたね」
法眼の優しい声。
「俺達には、まだ運があるようだぞ」
知盛の嬉しそうな声に、頷きます。
「○○殿、今、知盛殿と話していたんですが、実は現代に戻る術が完成したんです」
「本当ですか!」
「それで、私はあなたを迎えに来たんですよ」
「そうだったんですね」
「では、現代へ帰りますか?」
ここで選択肢。
「知盛様と離れたくありません」
何より先に口に出たのは、その言葉でした。
「○○・・・・・・」
知盛は声をかすかにふるわせ・・・。
「そう言ってくれて嬉しい」
「それで今、知盛殿を説得していたところなんです」
「説得?」
「はい。私は知盛殿も○○殿と一緒に、現代に行くのが妥当だと考えています」
「えっ! そんなことが出来るんですか!?」
「はい。おそらく」
(もし、そうなったら、私は嬉しい・・・・・・。今となっては、知盛様は平氏から追われる身になってしまった。それに、どのみち平氏はここで滅びる運命)
「それで、あの、知盛様の気持ちは・・・・・・」
「俺はそう簡単に平氏を捨てられない。まして、滅亡へと道を歩んでいるところに、俺だけ離脱するなど」
それは、知盛らしい答え。
「しかし、このままでは、知盛殿がいることで、平氏の中で内紛を呼んでしまいます。一致団結がなければ、とても源氏には対抗できません」
「それは、分かっている。だが、一致団結しても、勝てる勝負ではない気がする」
(そこまで見越しているんだ)
「わかりました。では、知盛殿を説得できる方をお呼びしましょう」
「え?」
「?」
「重衡殿」
法眼に呼ばれて林の中から出てきたのは、重衡!
「よかった。知盛兄者と○○姫をずっと探していたんだよ」
「どうして、ここに?」
「もともと、私と重衡殿は連絡を取り合っていたんです」
「重衡、どういうことだ」
「策をめぐらせていたんです。平氏が滅亡した後、どうにか一門の生き残りだけでも、名を変え、身分を捨てて生き延びることができるようにと」
「そうです。私が京の町で手配を進めています。だから、たとえ戦があっても、生き延びることができれば、みなさんが隠れて生活することができる手はずは整っています」
「だから、知盛兄者は安心して○○姫と現代へ行くといい」
「重衡」
「一人でもいなくなってくれた方が、こっちも後の始末が楽だからね」
軽口をたたいて、重衡はかろやかに微笑みます。
「いかがでしょうか? これなら、現代へ行くお覚悟はできますか?」
じっと知盛を見つめる法眼。
「ああ、そうだな。そういうことなら、思い残すことは、もうここにはない」
「知盛様、じゃあ」
「ああ、お前と行こう。○○のいた現代というところへ。・・・・・・お前さえ望むなら」
「はい! ついてきてください。今度は私が守ります。知盛様と一緒なら、私、絶対頑張れます!」
「お前に守られるのはご免だな。俺がお前を守るんだよ。どこにいても、いつでもな」
知盛らしい台詞に思わず笑ってしまいます。
「はい! お願いします!」
「では、善は急げです。少し高さのある崖へと移動しましょう。そこから二人でいっしょに飛び降りてもらい、落下する力を借りて、現代へ飛ばします」
「分かった」
「知盛兄者、現代へ行っても元気で」
「ああ。重衡、後のことを頼む」
「任せてくれていいからね」
「そうだな。お前には迷惑をかける」
「さあ、急いで。○○姫、兄者を頼むよ」
「はい」
─────崖の上。
(こんなところから飛び下りるのね。現代への移動戦術が失敗に終われば、きっと全身を砕かれて死んでしまう。でも)
「怖いのか?」
「いいえ。知盛様が一緒なら、平気です」
「俺もだ。○○が一緒なら、何も恐れることはない」
「では、用意はいいですか?」
「ああ。頼んだぞ、法眼」
「お願いします」
しっかりと抱きしめられ・・・一気に崖から飛び降ります。
「いきますよ!」
法眼の気合を入れる声が聞こえると同時に、あたりは真っ白な光の渦に包まれ・・・・・。
二人は気付くと一条戻り橋の近くで意識を失って倒れてました。
最初は現代に馴染めるか心配していたものの・・・・・。
あっという間に順応し、知盛はすぐに働き始めました。
それだけではなく、職場をすぐに仕切り始め・・・・・今では建設会社を起し、そこの社長に!
兄弟を置いてきたことを今でも悔やんでいて、社員たちをまるで兄弟や一族のように大切にしていて・・・。
社員からも慕われ、業績もぐんぐんアップ。
知盛様の会社へ入ると、早速、社員から奥さんと呼びかけられた。
そう。私たちは、つい先日、社員のみんなから祝福されて結婚式をあげた。
(でも、いまだに奥さんって呼び方は恥ずかしいかも・・・・・・)
恥ずかしがっていると、スーツを着た知盛様に抱き寄せられる。
「うちの奥さんは、いつになっても初々しいな」
「いろいろと慣れないんです。スーツ姿の知盛様にも、奥さんって呼ばれることにも、知盛様が私に優しいことにも」
「最後の言葉はいただけないな。俺はそんなに厳しかったか」
「はい。今でも意地悪を言われる夢をみます」
「とんだトラウマ状態だな」
「それに、今だって、時々意地悪をされます」
顔を赤らめて言うと、知盛様も照れたようにずっと紅が入る。
「俺は好きなやつしかいじめないぞ」
「はい。じゃあ、もっといじめてもいいです」
「○○、愛している」
ぎゅっと抱かれた肩に力が入った。
ささいなことでもこまやかな愛情を感じる。
しあわせだな時間の流れに、ただただ感謝するばかりだ・・・・・・。
現代の外伝:子供の名前の中身が気になって・・・知盛を選択しました(笑)
うん、想像した通りの内容^^