<選択肢>
5日目
高坂様がいますし
がんばります
(スチル:姫の危難/03:儚いもの)
信玄の侍女になって数日。
姫は、部屋の花を生ける係りに。
小次郎から、甲斐について話を聞きます。
・よく治まっていること。
・相当に裕福であること。
同盟国として頼りにはなりそうだと。
が、不穏な話もあり・・・。
・越後との敵対関係。
・他国から信玄が首を狙われていること。
・館の中に、信玄を狙う忍が侵入している可能性があること。
休憩時間には他の侍女たちとのお喋り。
高坂は、話のネタによく出てくる武将の一人で・・・。
「高坂様ってば、どうしてああも残念なのかしらねー」
「残念、というのは?」
「あんなに見目麗しい殿方なのに、口を開けば、信玄様、信玄様・・・・・・」
「どんな女からの誘いにも逃げまくって、ついたあだ名が『逃げの高坂』。もしかしたら、女は駄目なのかもしれないわね」
「じゃあ、男のほうが好きだとか?」
「あのー、もしもし?」
突然、後ろから本人の声が聞こえてきます!
「えっ、こ、高坂様!?」
他の侍女たちは慌てて口を閉ざし・・・。
「あなたを探しておりました」
視線が姫に向けられた途端、これ幸いと逃げていきます。
「おや、お喋りの邪魔をしてしまいましたか」
「い、いえ!」
「あなたがみんなと馴染めているようで、よかったです。どんな話をしていたんですか?」
「あっ、いえ、何でもありません。それで私に御用とは」
「これからお館様のもとへ行きます。しばらくしたら、お茶を持ってきてもらえますか」
ここで選択肢。
「がんばります。初めてのお茶だしです」
意気込むと笑い出し・・・。
「そんなに張り切らないでください。普通に持って来てくれたらいいですよ」
「わかりました」
「よい返事です。では、お願いしますね」
「はい」
「それから、私は別に男が好きなわけではありませんよ」
「えっ!?」
「あなたには誤解されたくないので、宣言しておきますね。普通に女性が好きです」
そう言って、笑いながら廊下を歩いていきます。
(私には誤解されたくない・・・・・って、どういう意味かしら・・・・・・)
信玄の部屋にお茶を持っていくと、褒められ・・・。
「この菓子をとらす。食え。褒美だ」
卓上にあった菓子箱を前に置きます。
「えっ?」
「その箱の中のものは、毒見が終わっているものです」
「ありがとうございます」
「女は甘いものが好きだろう。遠慮をするなよ」
ぶっきらぼうな物言いだが、思いやりが感じられる。
(この方のこういうところに、高坂様も幸村様も惹かれていらっしゃるのね)
「お館様の仰せです。遠慮せず、いただきなさい」
「ありがとうございます」
「楽にして食え」
お菓子の甘さに頬が緩んだ直後、胃がキリリ!
がくがくと全身が震え出し・・・・。
「く、苦しい・・・・・・」
「これは!!」
畳の上に手をつくと、高坂がかけよってきます。
「まさか、この菓子か!」
「○○、しっかりしてください! 吐き出せるだけ、吐き出すんです! 私の声が聞こえますか?」
力強い腕にぐっと抱き起こされ・・・。
「あ・・・・・・こ、高坂・・・様・・・・・・」
「しゃべらないでいいから、早く吐きなさい!」
苦しくて、何も考えられない。
苦しくて、苦しくて、ただ高坂の腕にすがりつきます。
「しっかり・・・・・・!」
「誰か!医者を呼べ!どういうことだ、高坂!毒見は済んでいた筈だろうが!」
「この箱の中は毒見が終わっていたはずなのですが・・・・・・」
意識がもうろうとして、信玄様と高坂様のやりとりが、どんどん遠くなっていく。
いつしか私は完全に意識を失っていた・・・・・・。
忍が侵入してるのは、本当みたいです!
姫は・・・・・!?
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